自家製酵母コース中級第1回で取り上げたカンパーニュ。
ご受講くださった方は補講としてご活用ください。


23517893_1633292040062405_5101415040148116918_n


↑冬に石窯ドームでどうやって焼いてもパッカーンとクープが開いていたカンパーニュですが、
この夏レッスンのために試作してみるとどうにも上手く行かない。
クープは開かないし、生地ものっぺり高さが出ない、色も悪い。↓
ちぎりかけで本当すみません…(*_*)(*_*)

DSC_1137




オーブンから蒸気は出てるし、酵母も元気いっぱいなのに…。

この経験から学んだ猛暑のカンパーニュの焼き方

まず「生地温度に気をつける」

当たり前の様で家庭製パンだと計らずに作ってしまう方も多いはず。
それで上手くいけば家庭ではそこまでやらなくてもいいんですが、上手くいかない場合は是非生地の温度確認を。パン屋さんでは絶対に計っています、生地温度。

温度計は製菓材料店、最近では100円ショップで400円位で売ってたりするので手に入りやすいです。

今年は猛暑で冷房をつけている部屋でも28℃とか。湿度もあるのでどんどん生地温度があがり発酵が進みます。そうすると酵母菌が糖分を食べてしまい旨みも薄くなるし、糖がないと焼き色もつきにくくなる。そして最後の焼成までに力を使い果たしてしまいクープも開かない。

なので粉や水を冷蔵庫で冷やしておき、捏ね上げ温度(パンチ後・1次発酵前)26℃くらいに仕上げました。もっと低くても良かったかも。
その後冷蔵庫に入れるまで常に27℃位をキープするよう気をつけて発酵します。



そして「室温発酵を早めに冷蔵庫に切り上げる」

通常自家製酵母元種を使ったカンパーニュの1次発酵は、酵母の元気や室温によりますが、春秋で7,8時間、夏で5時間くらいが相場かなと思っていました。
ですがこの猛暑!
生地を常温に1時間半出しておくと、もう生地温が30℃に届きそうです。


発砲スチロールに保冷材を入れて低い温度環境を作ってあげられるといいんですが
それが出来なければ、もう2時間そこそこで常温発酵を切り上げ野菜室に生地を移しそのまま低温長時間発酵に移ります。

なるべくゆっくり発酵させてあげることで、生地内に乳酸や酢酸を蓄積させてうまみのある生地を目指します。
生地温が高いので野菜室の中でも意外と早く発酵が進み、12時間くらい経っていざ取り出すときには2.5倍くらいになります。

ベンチタイム・二次発酵もやや早めにきりあげます。
これはアルーチ岡本先生にいただいたアドバイス。
1次発酵がしっかりできている生地は、夏場は室温に戻さず、ベンチタイムも10分そこそこで丸めてゆるんだらオーブンへ!とすることもあるのだそう。

その日の気温と生地の状態みつつですが、私はベンチタイム15分くらい、気泡潰さず表面張らせて、2次発酵バヌトンに入れて常温で1時間以内、という感じで焼いてみました。
それでもまだ他の季節ほどぱかーんとはクープは開きませんが、だいぶ高さのあるカンパーニュが焼けるようになりました・・・。↓

P1310826

あくまで夏の場合です。冬は1時間以上二次発酵とります。



最後に「砂糖を添加する」

これは生地に甘さをつけたいのではなく、酵母のエサとしての糖分です。
生地の3%くらい加えています。


どんなカンパーニュを作りたいかによって捏ね方、加水、クープの入れ方色々あるのですが、
とにかくこの猛暑で失敗した!!生地がだれた!!クープのっぺり~という方は上記3点お試しください。
イーストを少量添加するのも一つの手だそうです。
パン屋さんでは味に深みを出すために自家製酵母、発酵力にイーストと併用するところは多いです。


私も今回の迷走でまた勉強になりました。
理想のパンが焼けるよう今後も勉強に励みます!