カテゴリ: パンの製法

こんにちは。湘南パン教室クラムの池田です。

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7月の自家製酵母クラスのメニューは「ブルーベリーブレッド&酵母シフォンケーキ」!

去年非常に人気のあったメニューです。
7月が旬のブルーベリーで酵母を起こし、生地にもふんだんに使った紫色のパン。

酵母のシフォンケーキもこれまた私の大好物でして
普通のシフォンケーキとはモッチリ具合がまるで違います。


空き状況は以下の通りです。

7月2日 満席
3日 満席
6日 満席
9日 満席
11日 満席
20日 1席キャンセルが出ました!

場所は東海道線辻堂駅徒歩4分。
時間は10:30~13:30
料金は6000円です。

ご希望の方は以下までご連絡ください。

ご予約・お問合せ
crumb.france@gmail.com





さて6月の自家製酵母クラスのメニューは「基本のカンパーニュ」でした。

今日はそんなハード系パンを自宅のオーブンで焼いてクープを開かせるコツ
を長文で解説したいと思います。
受講してくださった生徒さんもお家でうまく焼けない場合、諦めずにぜひ試していただきたいです。



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気温が上がってくると冬よりもクープが開かせるのが難しくなるように感じます。
また私は東芝石窯ドームの上位機種(10万位の価格帯のもの)と中位機種(6万位の価格帯のもの)、2台をレッスンに使用していますが
中位機種の石窯だとクープを開かせるのにコツが要ります。

また自宅でビストロやヘルシオを使っている方から
うまくハード系パンが焼けないというお悩みもよく聞きます。


簡単に言うとハード系パンは表面が焼き固まるのを遅らせるために蒸気を入れます

高温のオーブンの中に生地を入れて一気に下火で持ち上げるのがハード系パンですが
表面が上火ですぐに焼き固まったり、または回転しているファンの風邪で焼き固まったりした場合
中の生地が伸びられなくなるのでボリュームが出ない目の詰まったパンになったり、
クープが開ききる前に固まってしまって開かなかったり、
クープからパン内部の蒸気が逃げられないので底や側面が裂けたりします。


私が石窯中位機種で気温が高くなってきた6月に
何度も試した経験からこうするとクープが開きやすい!と思える方法を書いておきます。

ちなみにこれらはビストロ・ヘルシオの方にもある程度有効な方法だと思います。
生徒さんに自宅で試してもらったら、今までで一番クープが開いたそうなので。


・冷蔵発酵していた生地は成形の30~40分くらい前に冷蔵庫から出しておく。
→長く室温に戻しすぎない。生地温度が上がりすぎるとクープは開きにくくなります。

・スチーム・霧吹き・ココットにお湯
→度々レッスンで伝えていますがオーブンのスチームのみで開かなかったら最低でもこの3点セット。
石窯上位機種はオーブンのスチームのみで開きますが、中位機種にはマストです。

・レシピの焼き時間だと焦げる・上火が強いオーブンの場合、(あればスチームモードで)200~220℃くらいで焼成スタートする。
→常々最高温度にパンを入れるようにお伝えしていましたが、あまりにも上火が強く焦げやすい機種は、クープが開きパンが膨らみきる前に表面が焼き固まってしまいます。
その場合蒸気モワモワの中にやや温度を下げて入れてあげることで解消できます。
膨らみ切った10分後くらいにスチームから通常モードに切り替え、今度は220~250℃くらいに温度を上げて焼き色をつけます。

・上段に鉄板を入れる
→最近ハマっているやり方で、上火で焦げるのを回避する他、横から出ている蒸気をパンに集中させる役割があります。これも10分ほど経ったら取り除きます。

・1本クープの場合はオーブンのファンに対して平行になるようパンを入れる
→最近まで蒸気口が横についているので縦にパンを入れていました。(気温が低い時はそれでも問題なく開いたのですが。)
でも奥にファンが回っているので、結局奥から手前に風が送られることになるのでは・・・と思い実験してみました。

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上のようになりました。
手前が扉、奥にファンがある状態です。

左のようにファンに対して平行に(横向きに)パンを入れると綺麗に開いています。

対して右のように縦にいれた場合、奥は開いて手前は開いていないアンバランスなパンになっています。

IMG_0794




以上が最近クープが開きやすい、と私が思っているやり方です。

気温が上がると生地を膨らませる酵母菌もどんどんと力を使い果たしクープが開きにくくなり
生地もだれやすくなります。

でも失敗は成功のもと。
失敗するから考える!工夫する!



image1 (1)

こちらは教室に通ってくださるHさんからいただいたお写真。
Hさんはすっごく真面目で勉強熱心な方。
ヘルシオユーザーでなかなかハード系パンのクープが開かないと仰っていたのですが
蒸気の方法を試して今までで一番クープが開いたそうです。

彼女の努力の賜物、そして少しのコツ。

今って調べれば何でもインターネットで情報が得られる便利な時代ですが
自分で試行錯誤して成功することが本当に理解して上達することにつながるのだなあと思います。


長くなりましたが最後に
クープが開いていればいいパン!クープが開いていないと失敗!
とは思っていません。
加水を高くしたり発酵を長くすれば生地がゆるくなってクープは当然開きにくくなりますから。

でも家庭用オーブンのせいで表面が焼き固まって本来膨らむべきところまで膨らめなかったら
それはちょっと残念かなと思います。
生地の伸びでパンの食感も全然変わってきますから。



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現在パン教室は全クラス満席
次のクラスは4月スタートです!近日募集開始予定。LINE@にてお知らせいたします。



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先日は2019年初レッスン「ヨーグルト酵母のバゲット&スコーン」でした。

実は年末年始、家族がウイルス性胃腸炎にかかり、プライベートレッスンをキャンセルさすることになってしまいました・・・
(N様本当にごめんなさい。。)
感染の恐れがあったとはいえ、
お会いするのを楽しみにしていたのにレッスンが出来なかったことが本当に残念でふがいなく落ち込みました・・・

久しぶりにレッスンをして
やはりお仕事が出来ること、パン教室に来てくださる方々と一緒に楽しく過ごすことは
私にとっての幸せだなあと再確認できました。
今年も1回1回を大切に臨みたいと思います。


さて私の教室で人気メニューの1つであり
家庭で焼くのに多くの方が悩みを抱えているバゲット。

おうちで焼くのには沢山のコツがありますが
今回はレッスンでお話している2つのコツについて書きます。

まずは「成型」

下の2枚の写真のバゲットは、
同じ生地、同じ発酵時間です。


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唯一違うのは
上の写真は3回折ってとじる成形
下の写真は4回折ってとじる成形

当然4回折った方が生地が締まります。

でも下のバゲットは生地に力がつきすぎて
全体的にコンパクトで、帯切れ(クープがきれてしまっていること)しています。

生地が締まっている場合・・・
水分が少ない・一次発酵が少ない・生地温度が低い・成形で締めすぎ等理由は色々ありますが
二次発酵をやや長くとり適度に生地を緩ませてあげることで
ボリュームが出てクープも丁度よい具合に開きます。

家庭製パンでは技術にそれぞれにクセやばらつきがあります。
オーブンの性能もパン屋さんの高級なオーブンのようにはいきません。

「成型」でちょっと締めすぎてしまったら、次は少し発酵を長くしてみる、成形を緩めてみるなど、工夫してみてください。



逆にクープが開いていない所がある、パンの表面にツヤがない場合
「蒸気不足」が原因であることが多いです。



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上の写真、
同じ生地、同じ成形、発酵時間のバゲットです。
違うのは「蒸気」です。

右は蒸気がたっぷり入る性能のいいオーブンで焼き、
もう1台はそれより安い普通の性能のオーブンに霧吹きをしてで焼きました。

左のバゲットは蒸気が足りないため、
生地にツヤが足りず、
クープも開ききれていません。

同じ生地でも蒸気によってここまで違います。
きちんと切れているのにクープが開かない場合、
オーブンのスチームモード+霧吹き+プリンカップにお湯
などしてさらに蒸気たっぷりにする対策が必要です。


そもそもクープを入れるのが難しい!
という方…
そこは練習です。
イーストを入れずに生地とお水をコネコネすると小麦粘土のようになります。
何度もクープを入れられるので練習になりますよー

フランスで働いていたパン屋さんでは1日1000本クープを入れていました。
数をこなすと確実に上手くなります。


文章では伝わりにくいですが
参考になれば嬉しいです。


次の新コーススタートは4月です!

2019年4月~12月
・自家製酵母クラス(平日・土曜クラス)
・自家製酵母 季節の酵母特別クラス(2018年に通われた方も継続していただけます。土曜)
・イースト使用初心者歓迎クラス(火曜開催予定)

募集開始となりましたらLINE@やこちらのブログでお知らせしますね。




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自家製酵母コース中級第1回で取り上げたカンパーニュ。
ご受講くださった方は補講としてご活用ください。


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↑冬に石窯ドームでどうやって焼いてもパッカーンとクープが開いていたカンパーニュですが、
この夏レッスンのために試作してみるとどうにも上手く行かない。
クープは開かないし、生地ものっぺり高さが出ない、色も悪い。↓
ちぎりかけで本当すみません…(*_*)(*_*)

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オーブンから蒸気は出てるし、酵母も元気いっぱいなのに…。

この経験から学んだ猛暑のカンパーニュの焼き方

まず「生地温度に気をつける」

当たり前の様で家庭製パンだと計らずに作ってしまう方も多いはず。
それで上手くいけば家庭ではそこまでやらなくてもいいんですが、上手くいかない場合は是非生地の温度確認を。パン屋さんでは絶対に計っています、生地温度。

温度計は製菓材料店、最近では100円ショップで400円位で売ってたりするので手に入りやすいです。

今年は猛暑で冷房をつけている部屋でも28℃とか。湿度もあるのでどんどん生地温度があがり発酵が進みます。そうすると酵母菌が糖分を食べてしまい旨みも薄くなるし、糖がないと焼き色もつきにくくなる。そして最後の焼成までに力を使い果たしてしまいクープも開かない。

なので粉や水を冷蔵庫で冷やしておき、捏ね上げ温度(パンチ後・1次発酵前)26℃くらいに仕上げました。もっと低くても良かったかも。
その後冷蔵庫に入れるまで常に27℃位をキープするよう気をつけて発酵します。



そして「室温発酵を早めに冷蔵庫に切り上げる」

通常自家製酵母元種を使ったカンパーニュの1次発酵は、酵母の元気や室温によりますが、春秋で7,8時間、夏で5時間くらいが相場かなと思っていました。
ですがこの猛暑!
生地を常温に1時間半出しておくと、もう生地温が30℃に届きそうです。


発砲スチロールに保冷材を入れて低い温度環境を作ってあげられるといいんですが
それが出来なければ、もう2時間そこそこで常温発酵を切り上げ野菜室に生地を移しそのまま低温長時間発酵に移ります。

なるべくゆっくり発酵させてあげることで、生地内に乳酸や酢酸を蓄積させてうまみのある生地を目指します。
生地温が高いので野菜室の中でも意外と早く発酵が進み、12時間くらい経っていざ取り出すときには2.5倍くらいになります。

ベンチタイム・二次発酵もやや早めにきりあげます。
これはアルーチ岡本先生にいただいたアドバイス。
1次発酵がしっかりできている生地は、夏場は室温に戻さず、ベンチタイムも10分そこそこで丸めてゆるんだらオーブンへ!とすることもあるのだそう。

その日の気温と生地の状態みつつですが、私はベンチタイム15分くらい、気泡潰さず表面張らせて、2次発酵バヌトンに入れて常温で1時間以内、という感じで焼いてみました。
それでもまだ他の季節ほどぱかーんとはクープは開きませんが、だいぶ高さのあるカンパーニュが焼けるようになりました・・・。↓

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あくまで夏の場合です。冬は1時間以上二次発酵とります。



最後に「砂糖を添加する」

これは生地に甘さをつけたいのではなく、酵母のエサとしての糖分です。
生地の3%くらい加えています。


どんなカンパーニュを作りたいかによって捏ね方、加水、クープの入れ方色々あるのですが、
とにかくこの猛暑で失敗した!!生地がだれた!!クープのっぺり~という方は上記3点お試しください。
イーストを少量添加するのも一つの手だそうです。
パン屋さんでは味に深みを出すために自家製酵母、発酵力にイーストと併用するところは多いです。


私も今回の迷走でまた勉強になりました。
理想のパンが焼けるよう今後も勉強に励みます!



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