2018年08月

湘南でフランスパンと暮らす教室「crumb-クラム」
講師プロフィールをご紹介いたします。


池田愛実(いけだまなみ)

生徒さんには苗字より「愛実先生」と呼んでいただくことが多いです^^


神奈川県藤沢市生まれ。

料理を作るようになったのは大学生の時。
そこから一気にハマりました。
大学時代の卒論研究テーマは「食育」。
そして大学在籍時にフランス料理学校ルコルドンブルー代官山校にダブルスクールし、パン作りを学びました。

料理全般からなぜパンを選んで専門にしたかというと、
最初はお菓子作りも好きだったのですが、毎日甘いお菓子を作って沢山食べることに罪悪感があり・・・
食事として食べられるパン作りにシフトしていきました。
勿論パンを食べるのが大ーー好きで当時沢山食べ歩いていたのも理由のひとつ。
そして時間をかけ、五感を使うパン作りという分野が自分の性分に合っていたからだと思います。


ルコルドンブルーパン科を卒業後、恩師に声をかけてもらい同校のシェフアシスタントを務めることになります。
フレンチの学校なので私の上司は日本語を全く喋れないフランス人!
指示されたことが分からず社会人としても未熟な私は、しょちゅう怒られ、泣きながら働く辛い日々を過ごしたもありましたが^^;
必死にフランス語を勉強し3年半勤めました。
結果、今でもシェフとは子弟関係以上の家族のような存在です。
恩師に、沢山の人に、そしてフランスという大きな影響を与えてくれる国に出会うきっかけとなった最高の3年半でした。


その後、フランスパンへの興味が高まり、約100万円(少ない!笑)を貯めてコルドンブルーを泣く泣く退職、
2013年ワーキングホリデービザで渡仏。

当時の私はフランスに行ったら絶対にMOF(フランス国家最優秀職人章)のパン職人の元で働きたい!という強い希望があったため、何十通も履歴書を手渡しして、
受け入れてくれた親日家のMOFシェフ2人のパン屋さんで働くことができました。
1軒はノルマンディー地方ROUENで3ヶ月の研修、
もう1軒はPARISでお給料をもらってパンとお菓子の製造に携わりました。

1年の間にフランス中を旅して色んな地方のフランス料理とパンを食べ歩きました。
時には車両に私ともう一人フランス人しか乗っていないような(つまりフランス人も行かないような)ド田舎に行ったり(笑)
職場の夏休みを利用して農家にホームステイしたり。
3つ星レストランに行ったことも。
今では信じられないような、当時の勢いがあったからこそ出来た経験はたくさん。
フランスを肌で感じた1年だったと思います。



1年のワーキングホリデーを終えて帰国後は、またコルドンブルーに戻って働いた後
レストランのパン部門新規立ち上げに声をかけていただきます。
そこでは商品開発から製造まで一人で行い、自分のパンを売るという責任の大きい貴重な経験をさせてもらいました。

その後結婚・出産を経て
2017年2月、地元・湘南にてパン教室「crumb-クラム」を開校します。

パン教室を始めた理由は色々ありますが、
お店に勤めた経験があるからこそ「パンを作る楽しみをじっくり味わえるのが家庭製パンのよい所だ」と気づけたこと。
私には沢山売らなければ利益の出ないパン屋さんよりも学校が向いていたと思います。
自分でパンを作る楽しさ、誰かと学ぶ楽しさ、いつもと違う場所に行くワクワク感をじっくりお教室で感じていただけたらなと思います。

2018年からはツヴィリングクッキングスタジオでStaubを使ったパン作りの外来講師、
ELLE groumet公認料理家 フードクリエイター部、
情報サイト「朝時間.jp」にレシピを連載するなどして
パン・料理研究家として様々な活動をしております。

宜しくお願いします!



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突然涼しくなってパンが作りやすい季節になりましたね!
猛暑の間は過発酵との闘いでしたが・・・。

9月のレッスンのお知らせです。
9月は自家製酵母クラスは「赤ワインのパン」(単発でのご受講も可能です)、
イーストクラスはツヴィリング様のキッチンスタジオ@横浜元町にて「staubで焼く基本のパン」です!


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9月のレッスン予定

9月5日(水)10:30~13:30 自家製酵母クラス「湯種食パン&酵母グラノーラ」満席
9月8日(土) 「staubで焼く基本のパン」@ツヴィリングキッチンスタジオ横浜元町
9月14日(金)10:00~13:00 自家製酵母クラス「赤ワインのパン&酵母蒸しパン」残1席
9月15日(土)10:30~13:30 自家製酵母クラス「赤ワインのパン&酵母蒸しパン」残2席
10月3日(水)10:30~13:30 自家製酵母クラス「赤ワインのパン&酵母蒸しパン」満席←New


場所
神奈川県藤沢市辻堂駅より徒歩3分

レッスン料金
単発の方6000円 / コース受講の方5500円


ご予約・お問い合わせ
crumb.france@gmail.com

staubレッスンのみ、ツヴィリング様のHPよりお申し込みください。


フランスパン教室クラムのご紹介はこちら
講師プロフィールはこちらからご覧ください。





8月は食パン月間!

8月のレッスンでは自家製酵母とイーストで湯種食パンを作りました。

湯種とは、粉の一部を熱湯で捏ねてパンに入れる製法。
出来上がったパンは甘くてしっとり。
翌日も美味しさが長続きします!


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イーストクラスは湯種食パンでわんぱくサンドとマンゴーサンドをランチに。
サンドイッチは生徒さんに作っていただきましたがとても美しく作れています♡
スープはビーツとトマトのスープです。


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自家製酵母クラスは同じ生地でバンズを作ってフィッシュバーガー!
ハッセルバックポテトを添えて。
スープは平日クラスはビーツ、土曜クラスはスイカのスープでした。

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生徒さんにいただいた絶品手作りリュバーブジャムを、これまたお土産でいただいた鎌倉ベルグフェルドのドイツパン「プンパニッケル」に乗せて♪


今月の酵母のお菓子は酵母グラノーラをご紹介しました。
ココア味のグラノーラに加えたのはカリっとしたごぼうと、クランベリー!
ごぼうは皆さん驚かれましたが、美味しい!作りたい!と好評で良かったです^^

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こちらのレッスンは9月5日が最後です。

9月のレッスン予定

9月5日(水)10:30~13:30 自家製酵母クラス「湯種食パン&酵母グラノーラ」
9月8日(土) 「staubで焼く基本のパン」@ツヴィリングキッチンスタジオ元町
9月14日(金)10:00~13:00 自家製酵母クラス「赤ワインのパン」
9月15日(土)10:30~13:30 自家製酵母クラス「赤ワインのパン」

ご予約・お問い合わせは
crumb.france@gmail.com




自家製酵母コース中級第1回で取り上げたカンパーニュ。
ご受講くださった方は補講としてご活用ください。


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↑冬に石窯ドームでどうやって焼いてもパッカーンとクープが開いていたカンパーニュですが、
この夏レッスンのために試作してみるとどうにも上手く行かない。
クープは開かないし、生地ものっぺり高さが出ない、色も悪い。↓
ちぎりかけで本当すみません…(*_*)(*_*)

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オーブンから蒸気は出てるし、酵母も元気いっぱいなのに…。

この経験から学んだ猛暑のカンパーニュの焼き方

まず「生地温度に気をつける」

当たり前の様で家庭製パンだと計らずに作ってしまう方も多いはず。
それで上手くいけば家庭ではそこまでやらなくてもいいんですが、上手くいかない場合は是非生地の温度確認を。パン屋さんでは絶対に計っています、生地温度。

温度計は製菓材料店、最近では100円ショップで400円位で売ってたりするので手に入りやすいです。

今年は猛暑で冷房をつけている部屋でも28℃とか。湿度もあるのでどんどん生地温度があがり発酵が進みます。そうすると酵母菌が糖分を食べてしまい旨みも薄くなるし、糖がないと焼き色もつきにくくなる。そして最後の焼成までに力を使い果たしてしまいクープも開かない。

なので粉や水を冷蔵庫で冷やしておき、捏ね上げ温度(パンチ後・1次発酵前)26℃くらいに仕上げました。もっと低くても良かったかも。
その後冷蔵庫に入れるまで常に27℃位をキープするよう気をつけて発酵します。



そして「室温発酵を早めに冷蔵庫に切り上げる」

通常自家製酵母元種を使ったカンパーニュの1次発酵は、酵母の元気や室温によりますが、春秋で7,8時間、夏で5時間くらいが相場かなと思っていました。
ですがこの猛暑!
生地を常温に1時間半出しておくと、もう生地温が30℃に届きそうです。


発砲スチロールに保冷材を入れて低い温度環境を作ってあげられるといいんですが
それが出来なければ、もう2時間そこそこで常温発酵を切り上げ野菜室に生地を移しそのまま低温長時間発酵に移ります。

なるべくゆっくり発酵させてあげることで、生地内に乳酸や酢酸を蓄積させてうまみのある生地を目指します。
生地温が高いので野菜室の中でも意外と早く発酵が進み、12時間くらい経っていざ取り出すときには2.5倍くらいになります。

ベンチタイム・二次発酵もやや早めにきりあげます。
これはアルーチ岡本先生にいただいたアドバイス。
1次発酵がしっかりできている生地は、夏場は室温に戻さず、ベンチタイムも10分そこそこで丸めてゆるんだらオーブンへ!とすることもあるのだそう。

その日の気温と生地の状態みつつですが、私はベンチタイム15分くらい、気泡潰さず表面張らせて、2次発酵バヌトンに入れて常温で1時間以内、という感じで焼いてみました。
それでもまだ他の季節ほどぱかーんとはクープは開きませんが、だいぶ高さのあるカンパーニュが焼けるようになりました・・・。↓

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あくまで夏の場合です。冬は1時間以上二次発酵とります。



最後に「砂糖を添加する」

これは生地に甘さをつけたいのではなく、酵母のエサとしての糖分です。
生地の3%くらい加えています。


どんなカンパーニュを作りたいかによって捏ね方、加水、クープの入れ方色々あるのですが、
とにかくこの猛暑で失敗した!!生地がだれた!!クープのっぺり~という方は上記3点お試しください。
イーストを少量添加するのも一つの手だそうです。
パン屋さんでは味に深みを出すために自家製酵母、発酵力にイーストと併用するところは多いです。


私も今回の迷走でまた勉強になりました。
理想のパンが焼けるよう今後も勉強に励みます!



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